どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。
今回は意外ですが、馬主と生産者という視点で
競馬予想への影響を考えていきたいと思います。
さて現代競馬では社台系の強さがとりわけ目立っており、
特にノーザンファームの威力は年々増すばかりです。
そんな中で馬主や生産者の成績を今一度考えてみることで
何か新しい発見があるかもしれません。
今まで馬主や生産者に注目していなかったあなたも、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)

馬主TOP5
最初に2020年 1/1~7/5までの馬主成績ベスト5です。
2020年リーディングオーナー | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 馬主名 | 1着 | 出走回数 | 勝率(%) | 連対率(%) | 複勝率(%) |
1 | ゴドルフィン | 63 | 465 | 13.5 | 21.3 | 28.8 |
2 | シルクレーシング | 62 | 433 | 14.3 | 26.1 | 33.7 |
3 | キャロットファーム | 55 | 425 | 12.9 | 23.8 | 34.4 |
4 | 社台レースホース | 54 | 503 | 10.7 | 18.1 | 28.8 |
5 | サンデーレーシング | 53 | 463 | 11.4 | 23.1 | 32.8 |
ご覧のように上位5位のうちなんと4つが社台系。
そして、それら全てでクラブ馬主(一口馬主)がランクインしています。
そんな中、社台の強敵を抑えて現在一位なのがゴドルフィン。
ご存じ、アラブ首長国連邦ドバイの大富豪シェイクモハメド殿下の競走馬管理団体。
ファインニードルやタワーオブロンドンなど国内G1はもちろん
ヨーロッパでも数々のG1を制覇して世界で活躍する大馬主です。
そんな日本国内を代表する2派がTOP5を独占するランキングですが、
驚くべきはその複勝率の高さでしょう。
中でもシルクレーシング・キャロットファーム・サンデーレーシングと
主にノーザンファームから馬の供給を受けているクラブは
全て複勝率30%以上と驚異的な数値の高さです。

仮に馬を選別することなく買い続けたとしても
単純計算で10回中3回は3着以内に来てくれる計算。
更にシルクレーシングに至っては連対率も25%超え!
まさしく破竹の勢いとはこのことでしょうか。
馬主にも得意・不得意条件がある
とはいえ、社台系といえども得手不得手は当然あります。
血統予想家の亀谷敬正さんがよくおっしゃるように
基本的にノーザンファームの育成方針は、
「直線で高いトップスピード」を発揮できる育て方です。
だからこそ、東京競馬場の芝2400mのG1レースで
フルゲート18頭全てをノーザンファーム生産馬で占める
といったことが究極の理想形として追求されているとか。
逆にいえば道中しっかりと脚を溜めて直線で脚を爆発させる
といった形とは真逆の形にあるレース、
例えばダート1200mのようにスタートからガンガンいくようなレースでは
強みをあまり活かせないわけですね。
例えば、過去3年の東京芝2400m戦における馬主勝ち鞍TOP3は
サンデーレーシング・キャロットファーム・社台レースですが、
札幌ダート1000mにおける過去3年の馬主勝ち鞍TOP3は
竹園正継・田島榮二郎・浅沼廣幸といった方々で、
TOP10にも先ほどの面々は全く入っておりません。

ここからもそれぞれの馬主が得意にしているコース。
育成方針から得手不得手が分かれることが理解できます。
生産者TOP5
次に生産者(牧場)の上位5位を見てみましょう。
※2020/1/1~7/5までの成績
2020年リーディングブリーダー | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 生産者名 | 1着 | 勝率(%) | 連対率(%) | 複勝率(%) |
1 | ノーザンファーム | 286 | 11.1 | 21.3 | 30.3 |
2 | 社台ファーム | 162 | 8.7 | 16.7 | 25.5 |
3 | 社台コーポレーション白老ファーム | 49 | 8.6 | 16 | 23.5 |
4 | ダーレージャパン
ファーム有限会社 |
45 | 12.5 | 19.7 | 27.7 |
5 | ㈱ノースヒルズ | 35 | 11.7 | 22.8 | 34.9 |
ご覧のように、もはやノーザンファーム一強体制です。
ちなみにひとくくりに社台と言っていますが、
社台は更に、ノーザンファーム・社台レースホース・白老ファームと
基本的に3つに分けられます(それぞれの代表が吉田善哉さんの子孫たち)。
ここからも、吉田勝巳さん率いるノーザンファームが一歩抜け出して
社台の中の競争を完全にリードしていると言えますね。
しかしながら、4位5位につけているのが、
先ほども紹介したゴドルフィンの生産牧場であるダーレージャパンと
昔から打倒社台の一番手候補として常々言われるノースヒルズ。
特にノースヒルズは複勝率34%とめちゃくちゃ調子がいいですね。
コントレイルでダービーも制覇し今年はノリに乗っている印象です。
生産者でも色が出る
ここでも馬主の時と同じように東京芝2400と札幌ダ1000で比較します。
東京芝2400mにおける生産者TOP3が
ノーザンファーム・社台ファーム・レイクヴィラファーム
であるのと比べて、

札幌ダート1000mの生産者TOP3は
下河辺牧場、ノーザンファーム・社台ファームの順。
2~3位を見ると「社台じゃん!」と思うかもしれませんが、
実質的な勝率はかなり低く(出走頭数は多いが勝ち切れない)
やはり本質的な適性のズレが出ていると言えそうです。
まとめ
馬主にも得意不得意なコースがあると言いましたが、
実態は、バックにある生産牧場や育成施設による調教の方針、
またはどの厩舎に預けるか?といった複数の要素が絡んで決まります。
ただしひとつ確実に言えるのはノーザンファームの育成方針と
高速馬場・高速決着の多い現在のJRA馬場管理方針がリンクしていること。
そして、それが東京競馬場の芝では如実に現れるということですね。
ぜひ、本日の内容を参考にして
馬主や生産者別の得意不得意条件を分析して
馬券に活かしてみてくださいね(^_-)-☆
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