どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。
今回は昨今なにかと話題のあの制度
外厩について解説したいと思います。
聞いたことがある方も多いと思いますが
”実はよくわかっていない・・・”
という人はぜひチェックしてください(^^)
外厩とは?
簡単にいうと”ミニ牧場”のようなもので
「トレセン近郊に作られた施設」のこと。
各厩舎から放牧に出された馬たちの
「管理・調教・育成」を行うのが基本で
美浦や栗東の近郊にある場合が多いです。
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外厩を使うメリット
馬主と厩舎が外厩を使うメリットは
大きくわけて3点あります。
①馬房数との兼ね合い
各調教師は厩舎に無限に馬を置ける訳ではなく
馬房数には制限が設定されています。
実際は細かく規定があるようですが、
簡単にいうと成績が良い厩舎は多く
下位の厩舎は少ない馬房数になります。
そんな中、馬房数が多い人気厩舎には
馬主からより多くの預託依頼が入ってきて
やりくりが非常に大変です。
そこでこの事態を改善させるひとつの手が
外厩を利用することなのです。
JRAでは公平公正な競馬の実現という観点から
出走するレースの10日前には厩舎に
馬を置いておかなければなりません。
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そこでレースが近い馬は厩舎にいさせて
レースまで日がある馬は外厩にひとまず
預けておくという方法を取ります。
これにより与えられた馬房数の上限まで
効率よく使うことが可能になるわけです。
したがって期限の10日前ギリギリまで
外厩で調教や仕上げをおこなっていき
厩舎では最終調整程度ということが多くなります。
②コスト面
次に考えられるメリットがコスト面です。
本来、牧場といえば北海道のイメージですが
毎回毎回、北海道とトレセンの往復をしていては
輸送費だけでもかなりの金額になります。
しかしトレセン近郊の外厩であれば、
輸送コストはだいぶ安くなります。
また厩舎の委託費も当然お金がかかります。
人気厩舎ともなれば1頭で月50~60万程度
することもあるそうで馬主にとっては
この金額もかなりの負担となります。
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しかし外厩であればそこまでの金額ではない。
より安い費用でそれなりの調教ができるなら
外厩を利用しない手はないですよね。
③厩舎業務の効率化
最後に挙げるのが厩舎業務効率化です。
人気厩舎ともなれば馬房数が多くなり
一度に50頭近くの馬を管理することもあります。
そんな中、すべての馬の調教メニューを考えたり
細かいトレーニングを実践するのは至難の業です。
そこで役立ってくるのが外厩。
いわば”調教の外注先”としても
利用することができるんですね。
忙しい調教師や厩舎スタッフにかわり
外厩が調教や育成を実践してくれることで
今厩舎にいる馬の管理に集中することができる。
馬主にとっても調教師にとっても
外厩はメリットが多い存在なんです。
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代表的な外厩
次に代表的な外厩を紹介します。
社台系と非社台系に分けると・・・
①社台系
ノーザンファーム天栄(福島県)
ノーザンファームしがらき(滋賀県)
山元トレーニングセンター(宮城県)
グリーンウッドトレーニング(滋賀県)
②非社台系
吉澤ステーブルeast(茨城県)
吉澤ステーブルwest(滋賀県)
大山ヒルズ(鳥取県)
ビッグレッドファーム鉾田(茨城県)
ミッドウェイファーム(茨城県)
宇治田原優駿ステーブル(京都府)
以上は代表例でほんの一部ですが、
こんな感じでやはりトレセン近郊の
茨城や滋賀に多いことがわかります。
北海道に比べて輸送コストが低いのは
想像に難くないですね。
牧場とトレセンの関係
昭和の時代は仕上げといえば厩舎であり
帰厩して10日で競馬なんて非常識でした。
調教師も「調教はトレセンでおこなうもの」
という意識が強く厩舎に戻ってから調教をして
しっかり時間を取って調整するのが主要でした。
しかし時は変わり平成~令和の現在。
外厩の育成技術はすさまじく
厩舎に勝るとも劣らないレベルまできています。
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だからこそ外厩で目一杯仕上げれば
帰厩したら微調整程度で良い!
ということもザラです。
昔はレースを使いながら
叩いて叩いて仕上げていく
なんて調教師が多かったようですが
今はもうそんな時代ではありません。
しっかりと休養して間をあけて
狙ったレースに一球入魂の仕上げをする。
外厩でしっかりと調整してから
厩舎で最終的な微調整をおこなう。
こんな流れが確立していますし、
その方法でG1レースさえも勝てることを
ノーザンファームが証明しています。
外厩情報を得るには?
代表的なものは以下の通りです。
WEB競馬新聞.com
JRDB
UMATOKU
他にもいくつかありますが、
無料のものから有料のものまであるので
ご自身にあったものを探してみて下さい。
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ちなみに一口馬主をやっている方は、
自身のクラブ馬であれば情報を見ることができます。
僕はキャロットファームで一口をやっていましたが
所有している馬以外でも情報は閲覧可能でした。
まとめ
注意したいのは外厩仕上げだからといって
必ず走るということではない点です。
今回のレースに至る過程で、
なぜ外厩を利用する流れになったのか?
きちんと仕上がった状態での帰厩なのか?
これらをしっかりと把握したうえで
該当馬の仕上がり状態はもちろん
本気度を計っていかなければなりません。
ぜひ本日の内容をもとに
外厩に興味を持って頂けたら幸いです。
ではまた!
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