競馬予想ファクター解説④-①馬場の基本知識と考え方

どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。

最近の競馬予想において存在感を増しているファクター

それはズバリ「馬場状態」ですよね。

 

前・内有利」とか「外差し有利」など

独特の言葉づかいがたくさんあって

よくわからない人もいるかと思います。

そこで今回から2回に分けて馬場の基本的な考え方と

傾向を掴む方法についてお伝えしたいと思います。

初回は馬場の基本的な知識について話します。

馬場の基本~芝編~

それでは芝とダートの基本から話します。

まずは芝から。

日本の競馬場が使用している芝には現在2種類あって

野芝(のしば)と洋芝(ようしば)に分かれます。

野芝の特徴

・洋芝より路面が固く弾力が強い

・洋芝より速い時計になりやすい

・根が横に張り巡らされて掘られにくい

洋芝の特徴

・野芝より路面が柔らかい

・野芝より遅い時計の決着になりやすい

・根が縦方向に伸びており掘られやすい

主に北海道の競馬場(札幌・函館)で使われるのが洋芝で

その他の競馬場で使われるのが野芝となっています。

 

野芝が寒冷地域だと生育が不十分であるのに対して

洋芝は寒い地域でも生育が可能なため、

札幌・函館の両競馬場では洋芝100%で施行されます。

また、一年中青々とした緑色が保てるというメリットも

洋芝が重宝される理由のひとつです。

 

その他の競馬場では季節にもよりますが、

野芝と洋芝の混合で行われたり、

野芝100%で行われたりと工夫がされています。

 

基本的に洋芝の方が重たく時計がかかるため、

野芝ではスピード負けして勝負にならない馬も

函館・札幌では一変して穴を出すことがあります。

 

またその反対で時計の速い決着の方が得意で

時計の遅い決着になると苦手な馬の場合、

北海道では結果を出せずに終わる馬もいます。

得手不得手の差が出やすいのも、

洋芝の特徴と言えるでしょう。

芝における馬場状態の変化

馬場状態は芝・ダートともに

良・稍重・重・不良の4種類があります。

芝のイメージとしては下図を参考にしてください。

良馬場に近づくほど馬場状態が良く、

含水率が少なくて時計も速くなりやすい

逆に不良馬場に近づくほど、

含水率が高くて重い馬場となり、

馬にとっては走りにくいコースとなります。

 

ちなみにJRAが行っている馬場状態の発表は、

馬場造園課がデータのチェックや実際に芝コースを

歩いて足に伝わってくる感触を確かめながら、

現場の感覚で最終判断をしています。

馬場の基本~ダート編~

日本の競馬場におけるダート(砂)は

基本的に青森県六ヶ所村の海浜を使っています。

ある程度の重さがあって粒が大きすぎないなど

厳密には採用基準が細かく決まっています。

ダートの馬場状態による変化

ダートに関しては芝コースと逆で、

含水率が高くなるほど走りやすく、

時計が速くなります。

例えば乾いた海辺の砂浜をイメージしてほしいのですが、

パサパサの砂だと歩きづらく速く走れないですよね?

しかし潮がみちて適度に水分を含んだ状態になると

途端に走りやすくなって動きやすいです。

 

これは人間だけでなく馬も同じで、

ダートは良馬場より稍重や重の方が

走りやすく時計が速くなります

しかし雨が降りすぎて不良までいくと

場合により時計がかかって遅くなる場合もあります。

これは水たまりがある砂場を想像してもらうと

わかりやすいかもしれません。

 

また冬場は、路面が凍って馬が滑らないように

凍結防止剤」と呼ばれるものを散布します。

これによりより乾いた砂状態となり、

いつもより時計がかかりやすくなります。

 

結果として力が必要な馬場となって、

先行不利、差し有利となることもあります。

使用コースについて

次に芝のレースで使用するコースの概要です。

各競馬場によってコースの数は変わりますが、

基本的にA~Dコースまでいくつか用意されています。

上図は東京競馬場のコース分けですが、

基本的にコースいっぱいを使って走るのがAコース。

以下、仮柵(かりさく)と呼ばれる柵を外ラチに向かって

2~3m間隔で設置していくのですが、

順番にA→B→C→Dと名付けられる事が多いです。

 

なぜ、AコースからDコースまで色々作るかと言えば、

芝の状態を保全するためです。

基本的に競馬は距離ロスを防ぐ目的で、

各馬が終始内側を走ろうとします。

 

その結果、外側より内側(インコース)が傷み、

特に内ラチから数メートルは損傷が激しくなります。

その状態で1開催ずっと競馬を続けると当然ながら

内を通った馬が不利で、外を通った馬が有利という

差が出てくることになります。

 

そういった有利不利の解消や馬場の痛みを防ぐため

芝のレースでは頻繁にコース替わりが行われます。

エアレーション

ひと昔前まで開幕週といえば「逃げ先行有利」でした。

なぜなら、綺麗な状態の芝で走りやすく、

いわゆる「前・内有利」の馬場状態だったから。

 

しかし近年は開幕前にエアレーションや

シャッタリングという作業が実施されることで

開幕週から差しが決まるケースも多くなっています。

 

エアレーションとは簡単にいうと地面に穴をあけて、

空気を入れることで芝の生育を促す目的があります。

また土壌が柔らかくなりフカフカの芝になることで

先行馬がバテて差し馬が台頭する開幕週が増えてきました。

まとめ

今回は馬場の考え方の基本について書いてきました。

非常に奥が深い話でまだまだ話すことはあります。

でもひとまず次回は、レースを見て馬場の傾向を把握する方法

について書きますのでどうぞお楽しみに。

ではまた!

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