どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。
最近の競馬予想において存在感を増しているファクター
それはズバリ「馬場状態」ですよね。
「前・内有利」とか「外差し有利」など
独特の言葉づかいがたくさんあって
よくわからない人もいるかと思います。
そこで今回から2回に分けて馬場の基本的な考え方と
傾向を掴む方法についてお伝えしたいと思います。
初回は馬場の基本的な知識について話します。
Contents
馬場の基本~芝編~
それでは芝とダートの基本から話します。
まずは芝から。
日本の競馬場が使用している芝には現在2種類あって
野芝(のしば)と洋芝(ようしば)に分かれます。
野芝の特徴
・洋芝より路面が固く弾力が強い
・洋芝より速い時計になりやすい
・根が横に張り巡らされて掘られにくい
洋芝の特徴
・野芝より路面が柔らかい
・野芝より遅い時計の決着になりやすい
・根が縦方向に伸びており掘られやすい

主に北海道の競馬場(札幌・函館)で使われるのが洋芝で
その他の競馬場で使われるのが野芝となっています。
野芝が寒冷地域だと生育が不十分であるのに対して
洋芝は寒い地域でも生育が可能なため、
札幌・函館の両競馬場では洋芝100%で施行されます。
また、一年中青々とした緑色が保てるというメリットも
洋芝が重宝される理由のひとつです。
その他の競馬場では季節にもよりますが、
野芝と洋芝の混合で行われたり、
野芝100%で行われたりと工夫がされています。
基本的に洋芝の方が重たく時計がかかるため、
野芝ではスピード負けして勝負にならない馬も
函館・札幌では一変して穴を出すことがあります。
またその反対で時計の速い決着の方が得意で
時計の遅い決着になると苦手な馬の場合、
北海道では結果を出せずに終わる馬もいます。
得手不得手の差が出やすいのも、
洋芝の特徴と言えるでしょう。

芝における馬場状態の変化
馬場状態は芝・ダートともに
良・稍重・重・不良の4種類があります。
芝のイメージとしては下図を参考にしてください。

良馬場に近づくほど馬場状態が良く、
含水率が少なくて時計も速くなりやすい。
逆に不良馬場に近づくほど、
含水率が高くて重い馬場となり、
馬にとっては走りにくいコースとなります。
ちなみにJRAが行っている馬場状態の発表は、
馬場造園課がデータのチェックや実際に芝コースを
歩いて足に伝わってくる感触を確かめながら、
現場の感覚で最終判断をしています。
馬場の基本~ダート編~
日本の競馬場におけるダート(砂)は
基本的に青森県六ヶ所村の海浜を使っています。
ある程度の重さがあって粒が大きすぎないなど
厳密には採用基準が細かく決まっています。
ダートの馬場状態による変化
ダートに関しては芝コースと逆で、
含水率が高くなるほど走りやすく、
時計が速くなります。

例えば乾いた海辺の砂浜をイメージしてほしいのですが、
パサパサの砂だと歩きづらく速く走れないですよね?
しかし潮がみちて適度に水分を含んだ状態になると
途端に走りやすくなって動きやすいです。
これは人間だけでなく馬も同じで、
ダートは良馬場より稍重や重の方が
走りやすく時計が速くなります。

しかし雨が降りすぎて不良までいくと
場合により時計がかかって遅くなる場合もあります。
これは水たまりがある砂場を想像してもらうと
わかりやすいかもしれません。
また冬場は、路面が凍って馬が滑らないように
「凍結防止剤」と呼ばれるものを散布します。
これによりより乾いた砂状態となり、
いつもより時計がかかりやすくなります。
結果として力が必要な馬場となって、
先行不利、差し有利となることもあります。
使用コースについて
次に芝のレースで使用するコースの概要です。
各競馬場によってコースの数は変わりますが、
基本的にA~Dコースまでいくつか用意されています。

上図は東京競馬場のコース分けですが、
基本的にコースいっぱいを使って走るのがAコース。
以下、仮柵(かりさく)と呼ばれる柵を外ラチに向かって
2~3m間隔で設置していくのですが、
順番にA→B→C→Dと名付けられる事が多いです。
なぜ、AコースからDコースまで色々作るかと言えば、
芝の状態を保全するためです。
基本的に競馬は距離ロスを防ぐ目的で、
各馬が終始内側を走ろうとします。
その結果、外側より内側(インコース)が傷み、
特に内ラチから数メートルは損傷が激しくなります。
その状態で1開催ずっと競馬を続けると当然ながら
内を通った馬が不利で、外を通った馬が有利という
差が出てくることになります。
そういった有利不利の解消や馬場の痛みを防ぐため
芝のレースでは頻繁にコース替わりが行われます。
エアレーション
ひと昔前まで開幕週といえば「逃げ先行有利」でした。
なぜなら、綺麗な状態の芝で走りやすく、
いわゆる「前・内有利」の馬場状態だったから。
しかし近年は開幕前にエアレーションや
シャッタリングという作業が実施されることで
開幕週から差しが決まるケースも多くなっています。
エアレーションとは簡単にいうと地面に穴をあけて、
空気を入れることで芝の生育を促す目的があります。
また土壌が柔らかくなりフカフカの芝になることで
先行馬がバテて差し馬が台頭する開幕週が増えてきました。
まとめ
今回は馬場の考え方の基本について書いてきました。
非常に奥が深い話でまだまだ話すことはあります。
でもひとまず次回は、レースを見て馬場の傾向を把握する方法
について書きますのでどうぞお楽しみに。
ではまた!
コメントを残す