【ラップ理論】前傾戦と後傾戦~瞬発型と持続型を見抜く方法

どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。

今回はラップの考え方について話しますが

あなたは普段ラップを気にしていますか?

 

一口にラップ=タイムと言っても、

勝ちタイムや上がり3F(ハロン)だけでなく

道中1ハロン(200m)毎の見方など

様々な切り口があります。

 

その中でも今回はレース予想において

重要なカギとなる馬の個性の見抜き方

「瞬発型」と「持続型」について

話していこうと思います。

 

なお、ラップについて基礎を知りたい場合は

過去に出した初心者でもわかるラップ理論

をご覧になってください(^^)

ではいきましょう。

そもそもの誤解を解いておく

まず最初に説明しておきたいのは

「最もスピードを出すのは最後の直線」

というのは一部のレースのみであって、

全部が全部そうではないということ。

 

確かに見え方としては、

騎手の手が激しく動き出して

ステッキを使用してゴーサインを出す

4角手前はスパートのタイミングに見えるでしょう。

 

しかし、例えばダートの短距離戦など

前半から速いラップで飛ばしていくレースは

最後の3Fラップは失速しているのが普通です。

 

すなわち、ゴールに近づくほどに、

スピードは落ちているということ。

 

だからこそ実際には、

「バテないように咤激励している」

という表現の方が正しいと思います。

またこれも競馬をやらない素人にありがちですが、

最後の直線で他の馬に交わされていく姿を見て

「あーダメか、バテたな」

と言っている人たち。

 

これは半分正解で半分不正解です。

 

というのも今話したような「前傾戦=

前半のラップが速く後半は失速している

レース」であれば後退していく馬をみて

「バテた」という表現は正しいかもしれません。

 

しかし、前半ゆったり行って後半にラップが

速くなる=上がり3~4Fが重要になるレースでは

どの馬も前半よりは速い脚を使っている訳です。

 

したがって正確に表現するのならば

「バテた」ではなく他馬に「キレ負け」している

という表現が正しいのです。

前傾戦について

それではここから本題に入ります。

 

まず前傾戦についてですが、

「前に傾く」という文字通り、

前半3Fの方が後半3Fより速いレースです。

 

これは芝ダート問わず短距離戦で多く、

特にダート1200mなどでは多いです。

 

すなわち前半からトップスピードに乗り

いかにゴールまでそれを維持できるか。

 

まさしくアメリカのダートレースに求められる

資質と同じだからこそアメリカ型血統が走ります。

 

例えば中山ダート1200mは

そのコース形態からも前傾戦になりやすく

ダートにしては異例の前半3F32秒台も発生します。

 

11.7 – 10.4 – 10.8 – 11.6 – 12.3 – 12.8

これは先日行われたオープンクラスのダート1200mラップ

 

ご覧のように前半3Fが32.9秒に対して

後半3Fが36.7秒と3.8秒も遅くなっています。

 

したがって勝った馬や追い込んで来た馬は

最後にいい脚を使ったように見えますが、

実際はみんな後半3Fの方が前半より遅かったのです。

後傾戦について

次に反対の後傾戦についてです。

「後ろに傾く」という文字通り、

後半のラップの方が速いレースです。

 

12.6 – 11.5 – 13.9 – 13.8 – 12.9 – 12.7 – 12.3 – 11.3 – 11.3 – 11.3

これは先日中京で行われた芝2000mのレース。

前半3F:38.0秒に対して、後半3F:33.9秒

 

中~長距離戦で一般的にスパートタイミングと

言われている11秒台が残り3Fしかないことからも

典型的な上がり勝負の後傾戦だったと言えます。

 

こういったレースでは前半ペースが遅いため

各馬が余力を持って勝負どころを迎えます。

そのため全馬が後半3Fで速い脚を使うのです。

 

だからこそスローペースの後傾戦では、

瞬発力=上がり3Fで速い脚を使えるか?

が重要なポイントになってきます。

瞬発型とは

今話したようにスローの後傾戦で

より真価を発揮してくるのが瞬発型です。

 

前半ゆったりのスローペースで脚を溜め

最後の直線で速い脚を繰り出していく。

イメージとしてはアーモンドアイでしょうか。

 

これらの馬は直線が長く馬場の軽い

競馬場やレースで好走します。

 

すなわち直線でのトップスピードが

モノをいうようなレースに強いわけですね。

 

したがって良馬場で軽い馬場状態であり

上がり32~33秒台も平気で出るような馬場。

そんな状態の時に好走しやすいのです。

 

反対に、前半から飛ばしていくレースや

平均的に脚を使わされるラップでは

上手く脚を溜めることができず、

最後の直線で末脚を発揮できません。

 

同様に道悪でタフな馬場状態の時も

自慢の速い上がりを活かすことができません。

 

ただし、いくら良馬場とはいえ

そもそもが重い芝である洋芝や、

時計がかかり気味になる冬場の中山などは

いくらスローでも好走しない時もあります。

そのあたりは難しいところですが

まずはタイプを見極めることが重要です。

持続型とは

反対のタイプが持続型(持久型)です。

 

かつてのゴールドシップやキセキのように

スローからの瞬発戦には向かないけど

良い脚を長く使えるタイプが該当します。

 

この手の馬は上がり勝負にならないよう

自らマクってロングスパート戦にしたり

 

速いペースで逃げて瞬発戦に持ち込まない

という戦法を取ることが多いです。

 

もちろん自らそういうレースをしなくて

自然の成り行きでハイペースになる事もあるし

ペースが得意パターンに合致すれば好走します。

 

問題は速い上がりを求められてしまうか

それともソコソコの上がりで良いレースになるか

これは道中のラップにかかっています。

 

だからこそ持続型の馬にとっては、

 

ハイペースまたは一貫して流れる

平均ラップのレースになった場合にこそ

真価を発揮しやすいと言えるのです。

例外もある

とはいえ例外も存在します。

 

血統的に見たらどう考えても持続型!

というような馬の場合でも

上がり最速を使って勝つ場合があります。

 

中には後方から見事な瞬発力を使って、

鮮やかな差しきりを見せる場合もあります。

 

というのも馬もみんな個性を持った生き物。

機械ではないのでそれぞれに特徴があります。

 

だからこそ両親からは想像できない個性や

能力を持った馬も中には存在するのです。

 

とはいえ一般的に言えるのは、

若い頃や下級条件では本質ではないレースでも勝てる

ということ。

 

本来持続型の馬でも瞬発戦で勝ってしまう

というのは若駒の時によくある事です。

 

つまりは能力の違いで勝ってしまうというか

そのメンバーならタイプ云々ではなく

上がり最速を使えるということがあります。

 

あまり例外を話すと混乱させると思いますが

このあたりは覚えておいた方がいいかもしれません。

まとめ

以上、今回はラップ理論における

瞬発型と持続型について話してきました。

 

本来は更にもうひとつ”平均ラップ型”

というものも厳密には存在しますが、

まずは今日あげた二つで十分です。

 

今までラップを気にしていなかった方も

ぜひ今日からは少し注目して

レースを見てもらえたら嬉しいです。

ではまた!

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