競馬予想ファクター解説⑩パドックの見方と評価方法

どうも、競馬ナビゲーターの北澤です。

競馬予想において最終判断の肝となり

当日の馬の気配をチェックする重要なポイント

それこそが”パドック”です。

 

昔から”パドック派”と呼ばれる競馬ファンも多く

多くの人が参考にする予想ファクターのひとつですが

それもそのはず。

 

馬柱やデータ、調教など多くのファクターより

直前の気配をチェックできるパドックは、

やはり多くの競馬ファンが気にするところであり

同時に馬の美しさを感じられる場所でもあります。

ただし初心者の方にとって

・踏み込みが浅い

・前肢の出が甘い

・前捌きが固い

とかそんな解説者のセリフを聞いたところで

よくわからないのが正直なところだと思います。

そこで今回はパドックについて、

基本の考え方と初心者でもできる

見方のポイントについて解説していきます。

パドックとは?

ここについては説明するまでもないですが、

レース前の馬の体調や気配をチェックする場所です。

加えて、それまでに自分が出した予想の結論に対して

「本当にそれで良いのか」最終判断する場とも言えるでしょう。

そしてパドックで注意したいのは、

あくまで予想の最終味付け程度

にしておいた方が良いということ。したがって

・パドックだけで買う

・パドックだけで消す

というのは基本止めた方がいいです。

 

というのもいくら調子が良いからといって

絶対的に能力が低い馬であれば勝つことは難しい。

たとえば1600mを1:32:0で走れる馬と

1:37:0がベストの馬であればいくら体調差があっても

まず前者が勝つと思いますよね?

 

だからこそパドックは参考程度にしたいし、

パドックだけで完全に正確な判断をすることは難しいです。

その辺りを理解したうえで早速本題に入りましょう!

まずは脚元を見よ

最初に確認したいのが脚元です。

競馬をやらない人がよく言うフレーズに

「あんな大きな体重をよくあの細い脚で支えているね」

というものがあります。

これはまさにその通りで、最初に考えるべきは

500㎏を超す動物が最大時速70㎏近くで走る

ことの意味です。

 

これがいかに脚元に負担をかけるものか。

「骨折」などの言葉を聞けば事の重大さを理解できますが

そうでなくても日頃からかなりの負担があの細い脚に

ふりかかっているということを最初に理解すべきです。

 

だからこそ、まずは脚元をよく観察して

異常がないかを確認する必要があります。

脚元の症状で代表的なものがソエや骨瘤と呼ばれるものです。

上図を見るとやや膨らみがあるのがわかると思います。

ソエは別名「管骨骨膜炎」とも言われ、2~3歳の若駒に多い症状です。

骨が完全に化骨していない若馬に急激な強い調教を行なったり、

硬い走路で調教を行なうと管骨(第3中手骨)の前面に

炎症を起こすことがあります。

 

初期であれば運動を軽くし、患部を冷却することにより治癒しますが

そのまま走り続けると骨折に至ることもあり注意が必要。

また下図のようにソエ焼きという治療を施すこともあります。

このようにわかりやすいものばかりではありませんが

他にもバンテージをグルグル巻きにしていたり

蹄鉄の裏に色々と加工をしていたりする場合は注意。

通常であれば何もしないはずですが、

何らかの不安や症状が出ているからこその結果です。

 

このような馬は午前中の若駒や下級条件のレースで

よく見られがちです。

初心者の方はぜひ午前中のレースを観察してみましょう。

チェックポイント

基本の脚元を見て問題なければいよいよ全体です。

大きな所では以下のポイントがあります。

毛艶(けづや)

良く見える場合は、新陳代謝がいいということ。

馬体に円形の銭形が浮かんで見えると絶好調と言われます

繋ぎ

長く寝ていると長距離向き

短く立っていると短距離向きと言われます。

歩き方

パドックの外目を元気よく歩いていると良いと言われます。

実際は、歩くのが単に速いだけで前の馬に追いつかないための

引き手の工夫だという説も。。。

踏み込み

後ろ脚の踏み込みのことです。

前脚に近いくらい出ていると深くて良いとされます

コズミ

筋炎や筋肉痛の俗称。

動きがスムーズでなくぎこちない時に言われる。

通常はキャンターなどウォーミングアップで改善する

表情

目に魂がこもっているか否か。

口から泡や血は出ていないか。

やる気があれば顔全体に活気が溢れているはず。

目は大きくて黒々していると良くみえますね。

イレ込み

集中力がなくチャカチャカしている馬。

首を激しく上下に振っている馬。

これらの馬は落ち着きがなく集中できていない可能性あり。

また過度な発汗によりゼッケン周りから白い泡が

出ている場合などはエネルギーの消費が激しいです。

腹回り

ボテっとした感じがなくスカっと見せている馬がいいです。

たとえ大幅プラス体重でも締まった感じで

シャープなラインなら成長分と判断することもできます。

馬体(全体)

馬体全体のバランスを見ます。

体全体を使ってしなやかに動けているか

バランスよく歩いているかも含めて

ここは個人の感覚で全体の雰囲気を感じましょう。

馬具の種類と意味

有名なブリンカー・シャドーロールなどから

リングハミ・エッグハミ・Dハミといった

頭の位置を制御するための「ハミ」の特別な種類まで

どれも目的はレースに集中して走れるようにするため。

 

気が散ってレースに集中できない馬を改善させたり

気性が激しく騎手による制御が難しい場合に、

ハミを変えてコントロールをしやすくする効果があります。

 

ちなみにブリンカーは遮眼革とも呼ばれ、

視界の一部を直接遮ることにより馬の意識を競走や調教に集中させ、

周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いられます。

ヨコではなくタテで見る

調教の記事でも書きましたが比較は他馬(ヨコ)ではなく

その馬の過去(タテ)と比べるのが望ましいです。

同じパドックを回っている周りの馬と比べても相対的な評価。

しかし、その馬の前走やそれ以前と比べて考えれば

「身体のバランスが良くなった」とか

「脚の運びがスムーズになった」などなど

絶対的評価が可能になります。

 

一頭一頭過去の様子を覚えておくのは大変だと思いますが

まずは好きな馬だけでもパドックでの様子をメモして

前後の比較ができるようにするとよいでしょう。

まとめ

総合的に考えてやはりパドックは

参考程度に考えるのがベストだと僕は感じます。

毛艶がいいと言っても光の角度によって見え方は変わるし

踏み込みがいいとか捌きが固いと言われても、

結局はそれを発言する人(評論家)の主観です。

だからこそ、最後は自分で判断するしかない。

 

そもそも見た目で強さを判断できたら苦労しません。

 

たとえば人間で考えた時、

身長170cmで同じような体格の2人がいるとして

少しだけ歩いている様子を見せられただけで、

どちらの方が速く走れるかなんてわかりますか?

少なくても僕は全く見当がつきません。

馬は生き物であり、個体差があります。

だからこそ正確に判断するのであれば、

今話してきたように周りの他馬と比べるのではなく、

その馬の過去と現在の差を確認する必要があります。

 

もちろん、イレ込みなど極端にテンションが高い馬

を割り引いて考えるなど

その場でできる減点評価もあるとは思います。

 

しかし基本はパドックだけで切ることは避けた方が無難。

買おうと思っていた馬をパドックを理由に切ったのに

来てしまったら後悔してもしきれないですから(笑)。

 

徹底的に調べてパドックを極めるか

あくまで参考程度の味付けにとどめておくか。

ぜひあなたなりの付き合い方を考えてみてくださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です